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愛で生まれるココロの話

ある子供と老人の話。


その子供は、選ばれた大人ですら足元にも及ばないほどの、脅威の頭脳を持っていた。
見るもの聞くもの全てを理解し記憶するその子供は、同じ立場に置かれたほかの子供たちの、羨望と嫉妬の眼差しを一身に受けた。
子供は、鶏群の一鶴と誉めそやされる代わりに、文字通りひとりぼっちだった。
誰とも話さず、誰とも一緒にいない子供の姿は、周りの大人の目にひどく寂しく映ったが、本人は意に介したふうでもなかった。それどころか、心配して声をかけてくる大人を冷たくあしらった。
子供は毎日、難しい問題を解いて褒められたり、将来を期待されたり、他の子に憧れられたりしていたが、その顔は無表情を保ち続け、あらゆることに対して全く何にも感じていないかのようだった。
激励にも、妬みにも、好意にも、いたわりにも、子供は応えなかった。
いつしか、子供に声をかけてくるものは、誰もいなくなった。
そして、誰もが影でこう言っていた。
「彼にはココロがないのだ」、と。



kokoro.png


ある日、子供の前にひとりの老人が現れた。
その老人は、身なりが良く立ち居振る舞いが紳士的でいかにも好々爺然としていた。
しかし子供は、いくら身なりが良く立ち居振る舞いが紳士的でいかにも好々爺然としている者でも、自分自身の態度が永遠にこのままである限り、その素晴らしい人間性を保ち続けることなどできないことを知っていた。
老人が優しい言葉をかけてくるのを、子供は無視し続けた。
自分は何も感じないのだ。そんな無駄なことはやめて、早く諦めるべきだ。
無言のうちに態度で語った。
しかし、老人は引き下がらなかった。
面白い話を聞かせましょう。もちろん、あなたが知ってるはずのない、私の冒険譚を…
その理論には矛盾が生じます。子供では知り得ないことです…
こういうケーキがお好きでしょう。同じようなのを以前食べていました…
よくできた。いい子だね。さぁ、ご褒美をあげよう…

老人の言葉のひとつひとつは、子供の胸の奥にあって堅く閉ざされていた小さな扉を、コツ、コツ、と優しくノックした。



やがて、子供は、
老人がいつも訪ねてくる時間のずいぶん前から、
彼を待つようになった。

優しくノックされるたびに、分厚い扉が少しずつ薄くなっていくその部屋の名前を、子供はまだ知らない。





ある動画を見て、「ココロ」っていいなぁと思ったので。(ニコ厨やめられね~)

| 妄想文・SS | 23:59 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

鏡●リンのココロが頭の中で流れてました
だとしたら科学者=ワタリ??
アンサーソングもたまらんですよね←是非ワタリさんで

| マコレ | 2009/06/28 18:55 | URL | ≫ EDIT

☆拍手のお返事です☆

>>ロスッティーへ
ロスッティーこんちは!よしよし、今だけは私の胸でお泣き…さぁ!(ブヨヨ~ン)
ワタリとこえるの話考えるの大好きなのです。もちろん、大人Lとの絡みも大好きです。彼らには、二人だけに通じる優しい時間がたくさんあったと思います。それは全部お互いの宝物でしょうね。
動画は、某双子ボカロの『ココロ』っていう歌のことです。ほんとは、この歌に感動して、ぜひLとBの話にって思ってたんですけど、あまりに壮大になったので見送りに。代わりに「ココロ」について考えて、この話ができました。

| 夜崎 | 2009/06/29 23:51 | URL | ≫ EDIT

マコレさんへ

ズバリその通りでしょう!
その歌が好きで好きで好きすぎて何回も何回も繰り返し聞いてるうちに、できあがりましたのがこの話でした。ワタリが科学者でもいいですけど、LとBで妄想すると一番萌える私であります…。
アンサーソングと合わせると、感動が何倍にもなりますよね。泣けすぎます。

| 夜崎 | 2009/06/29 23:58 | URL | ≫ EDIT















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