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雨雨ふれふれじいちゃんが

みなさまが子供の頃に、もしくは、今現在、傘を持たずに外出した時に、傘を届けにきれくてた人は、誰でしょうか?
一番多いのは、お母さんでしょうか。それか、お父さん。二世帯や近所に暮らしてる場合なら、じーちゃんばーちゃんもあるでしょう。兄弟がいる人なら、そういうケースもあるでしょう。恋人は却下。子供時代の話なので。
私の場合、大抵は母が予報を見て口うるさく「傘持っていけ」と言っていたので、それほどまずい状態になったことはありません。けど、いったん忘れたらそれはもうひどいことになるわけで。あれは忘れもしない小学六年生の時母に言われたにもかかわらず何となく面倒で傘を持っていかなかったばかりに下校時台風のような豪雨に見舞われ雨宿りすれども一向にやまずでも早く家に帰りたかったので走れば五分だしとちょっとアウトロー気取りで濡れて行こうじゃないかと一歩屋根の庇護から外れた瞬間、ぱんつまでびしょびしょになって帰宅したという…非常に馬鹿な思い出があるわけです。
それで風邪のひとつも引けばよかったんですがね。まぁ、翌日も元気で登校したという。馬鹿が証明されただけでした。

それは置いといて。

は、そんな心配しなくても、どこにいたってきっとワタリが車で迎えに来てくれるんでしょうね。
というか、もし迎えが来れなくても、Lの中で雨宿りより優先順位の高い物事があれば、迷わずに雨の中歩いて移動しそうだと思います。自ら濡れることには無頓着。これが、誰かに水掛けられたとかだったら、三日先まで恨み倒しそうです(対夜神月専用態度)好きな人に濡らされたのなら、一生覚えていて時々思い出を反芻してそうです。可愛いな。

それも置いといて。

ここから先は、昨日のイラストの謎の妄想文。


※こえるとLのお話です。
※昨日のイラストをご覧になってからお読みください。
※でも、別にこれだけ読んでもだいじょぶです。
※なんぞこのパラレル。






 あめ あめ ふれ ふれ んんんんん~

そんな可愛らしい小さな歌声が聞こえてきたのは、LがちょうどT字路の角を曲がった時でした。
Lはちょうど、Tの道が交差するところに立ち、歌声の聞こえた方を見ます。
すると、そこには、真っ白なレインコートを着た子供がいて、雨粒が落ちては次々と新しい波紋を描く水溜りを、これもまた白い長靴で踏んで遊んでいるのでした。
透明な傘の柄を肩に預け、Lはのそりと子供の方に向き直りました。
しばらくして、子供はLが見ているのに気付き、水面を乱すのをやめ、大きなまっくろな目でLを見上げてきました。
子供は、一見ごく普通の子供のようでしたが、なぜかレインコートの胸のあたりが、何か詰め込みでもしたかのように妙な具合に膨らんでいました。
Lは、こんな人気のない道路でひとりで遊んでいる子供は、はたして近所の子供なのか、もしくは遠くから来て保護者とはぐれた迷子なのか、それくらいの見当がついたので、まずは子供に聞いてみることにしました。別に親切なわけではなく、気になることは放っておけない性格なのです。

「こんにちは。おひとりですか?」

子供は、黙って首を横に振りました。

「では、どなたか大人と一緒だったんですか?」

またもや、子供は横に首を振ります。
Lは、はて、と首を傾げました。

すると、そんなLを見て、子供がレインコートのボタンをぷちぷちと外しだしました。
みっつほど開いたその隙間からぴょこりと顔を出したのは、少しばかり濡れた黒猫でした。

「なるほど。お連れの方が」

そう言ってLが微笑むと、子供はこっくりと大きく頷きました。

しかし。
まだ、子供が迷子かどうか、という問題は、解決していません。
Lはとりあえず、子供と同じ目線になるためにしゃがみこんでから質問することにしました。

「どこから、来たんですか?」

すると、子供はまばたきをしない目でじっとLを見つめた後、

「………」

無言で、小さな人差し指で、雨粒が落ちてくる曇り空を指しました。

「はぁ…」

Lの歯切れの悪い返事を気にするふうでもなく、子供はとっくに話しに飽きた様子で、胸の中の黒猫の頭を撫でていました。
むしろ、黒猫の方がLを胡散臭そうに、赤い目でじっと見ているのでした。

「なるほど、なるほど」

ところがLは、その子供の答えになぜか納得したようでした。
首を逸らし、透明なビニールの傘越しに一面雨雲の空を仰ぎながら、

「では、どうやって帰るのでしょう?」

と、聞きました。

再び、レインコートのボタンを閉じて猫を胸に詰め込んだ子供は、それを聞くと、Lの方をまばたきもせずにじーっと見ました。穴の開くほど見ていました。なのに、Lは気にせず、上を見るばかりです。

「………」

「………」

しばし沈黙の後、満足したのか、子供はふっと力を抜いて視線を外し、こう言いました。

「まだ、かえりません」

「では、いつ帰るんですか?」

「おひさまがでたら、かえります」

「お日様はまだ出ませんよ」

「ですから、まだかえりません」

「…心配されてますよ、お祖父様が」

「…………かえりません…」

急に、子供は俯いて頬を膨らませ、拗ねたような顔になりました。
大人びた話し方をする子供が、初めて見せた子供らしい顔でした。
Lは、それを見て、小さくため息をつきます。
よっこいしょと立ち上がると、首をコキコキと回して、もう一度ふうっと息を吐きました。
その様子を、大きなまっくろの目が、不安そうな不満げな色を湛えて、追います。
Lは、そんな子供を無表情に見下ろします。

「何かあってからじゃ遅いです。私も、お祖父様に怒られたくはありませんからね」

しかし、次の言葉には、少しばかりの慰めが込められていました。

「謝る気があるのなら、彼は決して怒ったりはしませんよ。もう、拗ねるのはよしなさい。本当は、早く帰りたいのでしょう?」

Lの言葉を子供は黙って聞いていて、もう首を横に振ったりはしませんでした。
それを見届けてから、Lはくるりと背を向けます。
そして、右手の傘をひょいっと、空に向かって掲げると…

みるみるうちに、雨が小雨になり、やがて消え、雨雲が動き出し、ついには、夕焼け前の明るいオレンジ色の光が、その隙間から差し込んできたではありませんか。

Lが傘を掲げたちょうど真上にあたる部分だけが、まるで雲の間に両手を差し込み少しだけ広げたかのように、晴れていました。

「どうぞ」

Lが背中越しにそう言うと、子供も別に驚くふうでもなく、ぱちゃぱちゃと水溜りを跳ねさせながら近づいてきて、差し込む光の輪の中に立ちました。
そこへ、Lの腕がにゅっと伸びてきて、子供のレインコートの胸を指先でつつきました。

『ふにゃおっ!』

「あー、はいはい。居心地がいいのはわかってます。でも、あなたは一緒に行けませんからね」

言い終わらないうちに、子供はすでにボタンを外し始めていました。
飛び出してきた黒猫は、すとん、と、アスファルトの上に降りたのですが、肉球が濡れたのに不快な声をあげ、あっという間にLの体を駆け上り肩の上に乗ってしまいました。

「……足跡がつきました…」

苦々しい顔でLが見下ろした猫の足跡つきシャツの裾を、小さい手がちょいちょいと引きます。

「ありがとう」

子供は、小さな声でお礼を言いました。
そして、光の中で身軽に宙返りすると、手のひらほどの光の玉になって、オレンジ色の道を空へと昇っていきました。
Lは、子供が見えなくなるまで、見送りました。

「やれやれ…近頃の照る照る坊主は、多少濡れても平気なんですかね?防水加工でもしてるんでしょうか…」

Lが、もう一度傘を掲げると、今度は先ほどとは逆に雨雲がぴたりと閉じ、またしとしとと雨が降り始めました。
猫背の、雨童子(アメワラシ)は、そうしてまた、六月の雨の中をブラブラ歩き出すのでした。



「…で、あなたは、いつになったら降りてくれるんですか?」

『雨が止んだら降ります』

「私と一緒にいたら、いつまで経っても止まないんですが…」

『じゃあ、雨宿りできる場所まで』

「…タクシーじゃないんですけど…」





おしまい。

こえるたんは、太陽の眷属の照る照る坊主。
Lは、雨を司る者、雨童子。
黒猫は、猫男で、正体は彼です。
ホ○ック新刊読んだの丸バレですな!

| 妄想文・SS | 23:55 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

すてきな話ですね。心がほんわかしました。

| ren | 2009/06/27 12:00 | URL |

☆拍手のお返事です☆

>>若子さんへ
か、かんぜんおりじなる!!??
あああありがとうございます~~~!あなたに言ってもらえるなんて、舞い上がっちゃうじゃないですか!
童話とか絵本とかの作家さんに憧れたりもします。でも、今の私が書いたら完全にLBの話になるねww

| 夜崎 | 2009/06/29 23:36 | URL | ≫ EDIT

renさんへ

ありがとうございます!ほんわかしていただけて、嬉しいです♪
レインコートのこえるが照る照る坊主という設定を、自分で気に入ってしまいました。梅雨のイライラを吹き飛ばしてくれるくらい可愛いです。

| 夜崎 | 2009/06/30 00:11 | URL | ≫ EDIT















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